Cross Talk
稟議を書く時間があるなら、飛ばしたい。
大手航空機メーカー×海上自衛隊、異色の二人がスタートアップ「ハマ」で手を組んだ理由。
これまでの経歴と、ハマへの入社のきっかけを教えてください。
私は大学院で航空機の空気力学を研究し、新卒で大手航空機メーカーの研究開発部門に入社しました。そこでは有人・無人航空機の開発や、飛行データの取得といった業務に携わっていました。実は、プライベートでも友人たちと趣味でドローンを作って飛ばす活動をしており、そのコミュニティを通じてハマの前身の会社とは以前から繋がりがあったんです。本業の仕事も充実してはいましたが、ハマの「新しいものを自社で作り、すぐ飛ばし、失敗したらその場で次につなげる」という圧倒的なスピード感がずっと羨ましくて。エンジニアとしてある程度経験を積んだタイミングで、「自分もあの打席に立ちたい」と挑戦を決めました。堅実な親からは心配されましたが、前職の同僚たちからは「お前らしいね」と背中を押されましたね(笑)。
森本さんのご経歴と入社のきっかけは?
私は大学院で電気系を専攻した後、海上自衛隊に入隊しました。航空機、主にヘリコプターの整備部門に配属され、2年に1回は仕事内容がガラリと変わる異動を繰り返しながら、約13年間勤務しました。転職を決意したのは、なんと結婚したわずか2ヶ月後です(笑)。妻からすれば「公務員として安定しているのになぜ!?」という心境だったと思います。ただ、当時は朝7時から夜22時まで働くような生活が当たり前で、「向こう20年、この生活を続けたら絶対に体を壊す」という確信がありました。そんな時に転職サイトでハマからスカウトを受け、会社を調べたらこの飛行艇型UAV「ハマドリ」の姿があった。防衛や災害対策を含め、この技術なら日本において無限の使い道があるし、何より面白い。そう直感して、思い切って飛び込みました。
前職のような大きな組織との一番の違いはどこにありますか?
大きな組織は、動かせる予算や人の数は確かに膨大です。しかし、一つの方向性を決めるために「なぜ我が社がこれをやるのか」という社内向けの説明資料や、稟議書を作るために凄まじい時間がかかります。気づけば、29歳である自分の20代の貴重な時間が、書類作りに消えていくことに強い疑問を抱くようになっていました。スタートアップであるハマには、そんな社内政治のための時間は一切ありません。「稟議を書く時間があるなら、とにかく作って、飛ばして、落として、改良しよう」というカルチャーがある。人間の有限な時間の使い方として、どちらがエンジニアとして実りが大きいかは明白でした。
森本さんが感じる違いは?
本当にそうですね。自衛隊時代の私は幹部職だったこともあり、本来のヘリコプター整備業務のほかに、膨大な人事作業や予算要求の書類作成に追われ、日々消耗していました。「この仕事は一体何のためになっているのだろう」としんどさを感じていたんです。ハマに来てからは、意思決定のスピード感が180度変わりました。「日本のものづくり」を世界に対して加速させていくためには、稟議に回す時間なんて最小限にして、物を作る時間へ圧倒的にリソースを振るべき。ハマはその理想がそのまま体現されている環境です。
現在はそれぞれどのような役割を担い、連携されているのですか?
私は技術全般を見ています。社内の開発や契約案件の技術作業はもちろんですが、最近は国内外のサプライヤーと密に連絡を取り合い、最先端のサプライチェーンを構築する仕事に力を入れています。自分たちだけで全てを製造することはできないからこそ、技術的な背景を正確に理解した上で、世界中の優秀なパートナーとハマを繋ぐ役割を担っています。森本さんとの連携でいうと、まさに「営業と技術の理想的な住み分け」ができています。森本さんが官公庁などへフロントとしてアプローチしてくださり、私はそれを受けてバックヤードで技術的な実現可能性を検討する、という形です。
森本さんの役割は?
私は入社してまだ数ヶ月ですが、主に展示会への参加や、官公庁・防衛関係向けの営業対応を行っています。やはり防衛関係からのお問い合わせがあった際、私には自衛隊での13年の経験があるので、「自衛隊の組織にはどういう言葉を使えば一発で伝わるか」「仕様書上にどんな抜け漏れが起きやすいか」が肌感覚で分かるんです。お客様から要求をいただいたときも、ただ鵜呑みにして持ち帰るのではなく、「実際にこの現場で運用したらここがネックになります。だからこういう仕様にしませんか」と、実運用を想定した提案をその場で構築できるのが、自分の営業としての強みであり役割だと思っています。
福地さんから見た連携は?
官公庁をはじめとする大規模な組織には、独特の「文脈」やルールが間違いなく存在します。どれだけこちらが技術的に正しいことを言っても、その文脈に沿っていなければ絶対に伝わりません。森本さんがその「翻訳」をフロントで完璧にやってくださるので、技術側としてはこれ以上ないほど開発が進めやすいですね。それに、スタートアップゆえにまだ社内のルールが定まっていない領域があっても、森本さんは「これ、私が拾ってやっておきますね」と自発的に動いてくれるので、本当に助かっています。
「防衛テクノロジー」という分野において、どのような想いを持って仕事に向き合っていますか?
技術的な観点から言うと、日本は資源の乏しい国だからこそ、防衛に関わる技術や製造能力(レシピ)を絶対に国内に保持し続けなければならないと思っています。たとえ素材は海外から調達するとしても、「どう組み立て、どう制御するか」のノウハウが国内にあり、それを形にできる協力者が日本中に揃っている状態を作ることが、これからの安全保障には不可欠です。そして、私たちのドローンを単なる「補助金ありきの実証実験」で終わらせてはいけない。技術をしっかりと社会や現場に接続させ、「現場で実際に毎日使われ、役に立つプロダクト」として社会実装していくために、これからも取り組んでいきたいですね。
森本さんが防衛テクノロジーに持つ想いは?
私は自衛隊の現場にいたからこそ、人の手だけで航空機を運用し続けることの過酷さを誰よりも知っています。隊員が足りなければ飛ばせない、しかし任務や訓練は増える一方…。そんな限界を迎えている現場をずっと見てきたからこそ、「今、絶対に日本にはドローン(無人機)が必要だ」と確信していました。ハマが持つ広範囲の警戒監視(ISR)などの高度な能力を現場に提供することで、隊員の負担を減らし、結果として日本を「守る」ことに直接貢献したい。これが私の強いモチベーションです。
どんな方と一緒にハマの未来を創っていきたいですか?
防衛省や自衛隊の内情や現場を知っている方は、間違いなく即戦力として大活躍できる環境です。ハマにいれば、自分が関わった案件や、現場でプロダクトがカタチになっていく瞬間を、目と鼻の先で実感できます。自分の人脈や知識を総動員して、「日本の安全保障をアップデートしたい」という熱い想いを持った方に来ていただけたら心強いです。
福地さんから応募者へのメッセージを。
大企業や官公庁などの大きな組織にいて、「自分は今、一体何のためにこの仕事をしているんだろう」と物足りなさや歯がゆさを感じている方に、ぜひ来てほしいです。ハマには、専門分野の枠に閉じこもる環境はありません。全員が現場で手を汚し、泥臭くチャレンジできるステージが無数に転がっています。「今の場所に満足していない」「自分の時間を、もっと本質的な挑戦に投資したい」という方、ぜひ私たちと一緒に働きましょう!
Profile
福地 亮太
第二開発部
大学院で航空機の空気力学を専攻後、大手航空機メーカーの研究開発部門に新卒入社。有人・無人航空機の開発や飛行データの解析に携わったのち、ものづくりの圧倒的なスピード感を求めてハマへ参画。現在は技術全般の統括に加え、国内外の最先端サプライチェーン構築を担当している。
Profile
森本 隆介
事業開発部
大学院で電気系を専攻後、海上自衛隊に入隊。幹部自衛官として航空機(主にヘリコプター)の整備部門に約13年間勤務。本質的な防衛テクノロジーの社会実装に貢献するため、2026年にハマへ参画。現在は自衛隊での現場経験と知見を活かし、官公庁向けの戦略的営業や展示会でのネットワーク形成を牽引している。